『天神』

空には天神がいるっていう話。

戦闘機のパイロットになるのを目標に訓練に励む高岡速坂上を中心に話が進む。
速は若い頃から優秀評価しか取ったことがない努力家優等生。陸はポンコツスタートのあっけらかん天才肌。

陸のおじいちゃんも戦闘機パイロットで、昔空を飛んでてヤバいコレ死んだわって時に天神に助けられたらしい。陸は天神を見てみたいという理由で空に行く。天神かー

空酔いでゲロ袋必須だったり墜落寸前の成績だったりした陸が途中から水を得た魚のように才能開花していくんだけど、その時教官の言った「あいつは人間じゃなくて鳥かもしれない」って言葉がなんともしっくりきた。

人間は地上の生き物だから三次元の空間情報の処理能力は低いらしい。けど陸はたぐいまれな才能を持ってると言われてた。要するに生まれ持った才能の芽を開花までさせたやつはヤバいくらいスゲーやつになるよって物語だった気がする。

才能を置いといても陸さんスゲーできた人間なんだよね。場の空気読むし気遣いできるし、叱られても次の日にはけろっとしてるし、人を楽しませながら物を教えたり、あと物語の中で3回くらい自分の安全省みず人の命助けてる。え?なんなの天使か

速の乗った訓練機が着陸失敗するとき他の教官より誰より真っ先に「ヤバい」って気付いて即救助に走ってったのが陸
自分の乗った訓練機がエンジントラブルで燃えたときなんとか脱出したはいいけど教官が居ない!ってんで爆発寸前の機体まで戻って教官助けたのが陸
同僚の機体が被雷して墜落危機になったとき体当たりのような神業で失神してたのを起こし更に市街地に落ちて被害出ないよう神業で海まで連れてって一緒に海上着水成功させたのが陸

神じゃん
もはやお前が天神だよ

なんかそういう話でした(完)

戦闘機とか全然興味ない系の本だったけど意外と読めた。天神かー